3Dプリンタが初めての方へ
形の合成・くり抜きから、スライサーと印刷までを全12章で説明します。
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1. 最初は「一つにつながった形」を選ぶ
ここでは、机や小物に添える横長のプレートを考えます。最初は文字や飾りを付けず、外形だけで試すと、読み込みから書き出しまでの流れを確認しやすくなります。
設計例:横60mm × 縦25mm × 厚み3mm
穴を付ける場合の例:直径5mm、中心を左端から8mm、上下中央に配置。
数値は作業を説明するための仮の寸法です。実機での造形検証や強度保証をした寸法ではありません。用途・材料・印刷条件に合わせて調整してください。
この例では穴の縁から左端まで5.5mmの材料が残る計算になります。ただし、この幅があれば壊れないという意味ではありません。金具を付けるなら、通る寸法と使用時の力を別々に考えます。
2. SVG・PNGの輪郭を整える
SVGを使う場合
- 外形が閉じた輪郭になっているか確認する。
- 線の太さで形を表している場合は、面への変換を検討する。
- 重なった線や不要な点を整理する。
透過PNGを使う場合
- 白い背景ではなく、背景を透明にする。
- 影や小さなゴミ点を取り除く。
- 細かい模様を避け、輪郭が明確な画像から試す。
素材を読み込んだら、いきなり厚みを付けず、意図した外形として読み取られているかを確認します。画像全体の四角形が出る場合は、背景が残っていないかを見直します。
文字を加えるのは、外形を確認してから
離れた文字をそのまま立体にすると、ばらばらの部品になる場合があります。一枚の名前プレートにしたいなら、文字と台座がつながる形を考えます。細い文字や小さな穴は、印刷時に残らない場合もあります。
3. 幅・高さ・厚みを別々に確かめる
読み込んだ形を60×25mmの設計例に合わせ、厚みを3mmに設定する流れを考えます。素材に余白が含まれていると、見えている形と想定サイズがずれることがあるため、立体そのものの寸法を確認します。
- 正面:輪郭が崩れていないか。意図しない小片がないか。
- 側面:厚みが付き、薄い板や重なった面だけになっていないか。
- 底面:接地させたい面が平らか。
- 穴:くり抜きが貫通しているか。底が残ったくぼみになっていないか。
穴を作る場合は、抜く形が本体の厚みを通り抜ける位置関係を確認します。画面上で穴に見えても、裏面が閉じている場合があります。形を回して確かめてから書き出します。
4. 書き出し成功で終わらず、スライサーで確認
| 確認項目 | 見たい状態 |
|---|---|
| 形式 | 使用するスライサーが対応するSTLまたは3MFを選ぶ。 |
| 実寸 | 例なら幅60mm、縦25mm、厚み3mmとして読み込まれている。STLでは単位の解釈にも注意する。 |
| 向きと接地 | 広い平面を下にした場合に、底面が浮いていない。 |
| 薄い部分・穴 | 各層のプレビューで必要な線が残り、穴がふさがっていない。 |
| 材料量と時間 | 見積もりを確認し、最初は小さな試作で条件を確かめる。 |
3MFは単位などの情報も扱える形式ですが、ソフト間で引き継がれる情報は異なります。どの形式でも、読み込み後の寸法を確認してください。
実際に印刷したら、幅・厚み・穴を測り、反りや欠けも記録します。印刷前のデータ、使った材料と設定、測定結果を残すと、次の調整を理由を持って行えます。
5. つまずいた場所から、一つずつ直す
| 困ったこと | 考えられる原因 | 確認する順番 |
|---|---|---|
| 背景まで板になった | PNGの背景やSVGの不要な面が残っている | 素材の透明部分・外形を確認し、読み込み直す。 |
| 小さな部品がばらばらに出る | 輪郭が分かれている、文字が台座に接していない | 素材のつながりと立体同士の接続を確認する。 |
| 穴がくぼみになる | 抜く形が厚みを貫通していない | 側面と裏面を見て、深さと位置を確認する。 |
| スライサーで大きさが変わる | 単位や読み込み時の倍率が違う | 想定寸法とスライサー上の寸法を比較する。 |
| 細い文字が消える | 印刷条件に対して線が細かすぎる | 各層のプレビューを見て、文字を太くするか形を簡略化する。 |
一度に輪郭・厚み・印刷条件を全部変えると、何が改善に効いたか分かりにくくなります。まず原因に近い一つを変更し、同じ箇所を確かめます。